コーポ啓21号室~偽コンビクトの日々戯言

50歳を過ぎてもまだまだぼやくぜ

内藤大助

僕は現日本フライ級チャンピオンの内藤大助という選手が好きだ。僕とたいして変わらない年齢で、ビジュアル的にも情けない。しかしフライ級にしてはなかなかのハードパンチで現在の地位まで登りつめた男だ。世界戦も2回経験しているが、どちらも負け。しかも一回目は34秒でKO負けしている。そんな逆境と付き合いながら頑張っている彼は素晴らしいと思っている。。
そんな内藤が、今夜無敗の新鋭を挑戦者に迎えて防衛戦を行った。中広大悟。内藤より確実にスピードと若さで上回っている強豪だ。内藤は4ヶ月前、世界戦に敗れており、試合前からモチベーションが上がらないとしきりに訴えていた。一時は引退も考えていた。そんな彼がどうして再起を決意しリングに帰ってきたのかは分からないが、とにかく帰ってきた。ならば何とかこの若き新鋭に打ち勝ち、また世界戦までたどり着いて欲しいと願わずにはいられなかった。

試合は一進一退の攻防の末、内藤が有効打で上回り何とか判定で防衛をした。すっきりとした勝ちではなかったからか、試合後のインタビューで内藤は歯切れの悪い言葉を繰り返した。インタビュアーに
「また世界までたどり着いてください」
みたいな感じで水を向けられた時、彼は、
「まぁ……いけるんなら頑張ります…」
と消え入りそうな声で言った。彼はこの先リングに上がるのだろうか?防衛を果たした今も、明らかにボクシングを続けるモチベーションは相変わらず盛り上がってない気がした。しかし、彼にはこの先何とか頑張ってもらいたい。彼には報われてもらいたい。僕はそう思う。いじめられっ子だった過去を隠さずに戦ってきた彼には何とか結果を出して欲しいと願わずにはいられないのだ。