コーポ啓21号室~偽コンビクトの日々戯言

50歳を過ぎてもまだまだぼやくぜ

ここで楽しもう ここでうまくやろう

いやぁ、今日も特にないんだ。ホークスも負けちまったし。明日は休みなのでなんかしよう。とりあえず今パソコンで作業中なので、今日はこれで。

☆☆☆☆☆

作業終了。ちょっと音楽ファイルの編集などしてたらもうこんな夜中になってしまった。

まぁそれはそれとして、空き時間にテレビを見てたら坂本博之の若い頃のKO試合が映って思わず見入ってしまった。この頃の彼のボクシングには輝きがあった。僕は坂本が好きだ。愚直に愚直にとにかく拳を相手に叩きつけて倒そうとする彼の姿勢が好きだ。彼がボクシング界のホープとして上り調子だった時、そのハードパンチできっと世界チャンピオンになってくれるんじゃないかという期待感が確かにあった。

テレビなどでたびたび取り上げられた彼の生い立ちは幸福なものではなかった。それだけに僕は彼がボクシングで成り上がり、それまでの人生を一気にひっくり返してくれることを望んでいたんだ。

でも、結局彼は世界には届いていない。挑戦に失敗するたびに今度こそは、と期待感は高まる一方だったのに、どうしても届かなかった。3度目にヒルベルト・セラノというチャンピオンとやった時など、初回に二度も痛烈なダウンを奪いながら、顔をカットしてしまったが為に不幸にも試合を止められてしまった。ボクシングマガジンの表紙には
「これでもだめか!」
というファンの叫びにも思える見出しが躍った。そしてそのあと、セラノには畑山が挑戦しあっさり王座を奪ってしまった。

坂本は畑山戦にに4度目の世界奪取をかけた。日本中の耳目を集めたこの試合は、好試合だった。本当に好試合だったが坂本はまたも王座には届かなかった。僕はこの試合を悲しくて見返すことが出来ない。骨身を削るように生きてきたこの男がついに報われなかったことが悲しかった。苦労が必ずしも報われることはない、と頭では分かっているけれど、それでも坂本には幸福が舞い降りてきてくれると僕は信じていたのだ。

その後の坂本は、怪我と戦い若手と試合して負けたりしながらも現役を続行している。きっと彼がもう世界に届くことはないだろうと思う。でも、彼がボクシングで最後の最後まで燃焼しきってくれれば、僕はもうそれでいいんじゃないかと思う。きっと彼は大好きなボクシングを最後の最後までやり続けたいのだろう。その最後の望みくらいは叶ってほしいと僕は切に願うのだ。