コーポ啓21号室~偽コンビクトの日々戯言

50歳を過ぎてもまだまだぼやくぜ

tough boyよ安らかに

一昨日のニュースではあるが、亀田との対戦が決まっていた小松則幸選手が、滝つぼに落ちて溺死してしまった。

小松といえば、僕もこの日記でたまに取り上げていたけれど、いつも僕の好きな選手の対戦相手であった。トラッシュ中沼戦での地元判定防衛とか、内藤との東洋太平洋&日本ダブルタイトルマッチとか。内藤はあの試合で大きくステップアップしてポンサクレックからの王座奪取につなげたんだよなぁ。
で、当の小松選手、僕はけして好きなタイプの選手ではなかった。センスよりも根性。テクニックもパンチもないけれどとにかく手数と引かない姿勢で戦う選手だった。入場曲は北斗の拳の主題歌である「tough boy」。彼にはピッタリであった。しかし、そんなスタイルの彼だからダメージの蓄積は僕のようなド素人にもはっきりと感じられた。ポンサクレックに負け、内藤に負けたあたりで引退の頃合だったように思う。すでに限界だった。当時所属のエディタウンゼントジムからは引退勧告を受けていたと聞く。しかし、彼はグリーンツダジムに移籍して試合を続けた。以前はどんな試合でも打たれながらも倒れずに前に出ていた彼が、その頃から簡単にダウンするようになっていた。ko負けも飛躍的に増えてた。体に変調をきたしているのはテレビ越しでもはっきりと見えていた。パンチにまるで反応できずにまともにもらう。それも連発でいいようにもらう。そんな状態でも、どうして彼はボクシングを止めようと思わなかったのだろう。そしてどうして誰も止めてやれなかったのだろう。
そして、壊れてしまっている小松に亀田がオファーを出してきたのはあざとすぎて反吐が出るようだった。

小松がこのような死に方をしてしまったのは残念でならない。御冥福を祈るばかりである。ダメージの蓄積と今回の死因は関係ないのかもしれないが、ボクシングがこれからも素晴らしいスポーツとして残っていくのだとすれば、小松のような選手を二度と出してはいけないと思う。しかるべき機関の厳密な健康管理が望まれる。今、辰吉を煽っている無責任なファンも気づくべきだと思う。体を壊すまでやるべきスポーツなんてこの世には存在しないのだ。いくら本人が望んでも、だ。