コーポ啓21号室~偽コンビクトの日々戯言

50歳を過ぎてもまだまだぼやくぜ

さらば剛拳

元東洋ライト級、日本ライト級チャンピオンである坂本博之選手が、次の試合を最後に引退することが発表されました。<a href="http://sakamoto.kadoebi.com/">本人による手記</a>がホームページで発表されています。
僕がボクシングに興味を持ち始めた頃、飛ぶ鳥を落とす勢いで日本ランクを駆け上がってきたホープ、それが坂本でした。打たれても打たれても前へ出て自分の拳を叩きつけて最後は倒す。その無骨かつ分かりやすいファイトスタイルが本当に好きでした。その勢いのまま日本最強を証明し4度の世界戦を闘ったものの、ついに世界までは手が届くことはありませんでした。最後の世界戦である畑山戦のあと、当時のホープである佐竹に敗れ、もう彼の上がり目は完全になくなったと思われましたが、それでも彼はリングに立ち続けたのです。ボクシングが好きだから、闘うことが好きだから。僕は世界を闘う彼も好きでしたが、晩年のその姿勢も好きでした。

この日記でも何度も坂本の事は書いているのであとは割愛しますが(2005年9月3日の日記を参照)、この日記の制限である1000文字ではとても語れない、それが坂本という男なのです。ボクシングの光と陰、そのすべてを味わってきた彼の引退試合が幸福に終わること、そしてその後の人生が素晴らしいものになることを私は願っています。