コーポ啓21号室~偽コンビクトの日々戯言

50歳を過ぎてもまだまだぼやくぜ

free as a birdとreal love

10年くらい前、ビートルズアンソロジーシリーズと言う企画がありました。早い話がビートルズの未発表音源を一気にまとめてお蔵出ししたのです。僕達ファンは聴いたことのないライヴ音源や未発表曲に狂喜狂喜また狂喜。で、その企画の目玉がジョンレノンの残したデモテープに残りの三人がオーバーダビングを重ねてビートルズの新曲として発表する、というものでした。その二曲が「free as a bird」と「real love」です。
当時は死人の声にオーバーダブなんてちょっと気持ち悪いなぁ、なんて思いましたが、これが意外にもきちんとビートルズとして成り立ってるような気がして驚いたもんです。まぁ、でもそれ以上の感情はもてなかったんですが。
で、最近その二曲をたまに聴き返すのです。僕が歳をとったのか、この二曲を聴くととても心乱されるようになってしまいました。なんとなく曲を仕上げてるときのポールやジョージ、リンゴの気持ちが分かるような気がするのです。なんか、それをうまく表現はできないけど、生きていくことや人生が少しずつ黄昏に向かっていくことや時間を共有するということがすべて素晴らしいことのように思えるのです。
ビートルズは不思議です。バンドが始まって解散するまでが人生にとても似ているような気がします。バンドの数だけ解散劇はあるけれど、いちばん有名で一番よくできたストーリーはビートルズというバンドの物語のような気がします。彼等がいまだ多くの人に愛されるのはそういう側面もきっと理由の一つとして上げられるような気がするのです。