コーポ啓21号室~偽コンビクトの日々戯言

50歳を過ぎてもまだまだぼやくぜ

I've just seen a face

日曜日の仕事は実にむなしい。家族連れやカップル達が外をたくさん歩いていて、毎日毎日くたくたに疲れている自分とつい比べてしまい、とても悲しくなったりするからだ。さらに春は一層つらい。花見をしている人達が本当に楽しそうに見える。花見どころか、桜のシーズンに休んだことすらない。やれやれ。

遅れて咲く八重桜もそろそろ散りはじめている。儚く散るソメイヨシノに比べて、もったりした印象のこの桜の良さは歳をとらないとわからないような気がする。

昼間はもうワイシャツで仕事が出来るくらいの気温だ。夜がまださむいので、油断をすると風邪を引くのだが。とりあえずダサい黒のジャンパーを羽織って外へ出る、のだ。

春は花見、夏はビアガーデン、秋は紅葉、冬はクリスマス。普通の人達がそれなりに楽しむ行事を、私は会社に入ってから何一つまともに楽しんだことがない。特に紅葉は、毎年毎年見に行こうと言っているのだが、まず行けたためしがない。ビアガーデンだって、そうだ。みんなが夏の夜に楽しく飲んでいるのを横目で見ながら、ただひたすら働くのだ。自分の状況を悲しみながら。いや、しかしビアガーデンに行けないのは会社に入ってから、というわけではないぞ。学生の時も、ビアガーデンにあまりいけなかった。いつもバイトで忙しい忙しいと言っていたら、あまり飲み会に誘ってもらえなくなっていた。特に夏休みは忙しかったりするので、そんな傾向が強かった。やっとの思いでバイトを終え、帰り道部室による。
”ビアガーデンに行くぜ”
とノートに書いてはいるのだが、どこに行ったかは書いてない。だれもいない。携帯電話も当時はない。ということで淋しく家路につく、ということが何度もあった。
次の日に、
「あれ?誘わなかったっけ?」
とか言われる。そんなことが何回もあるとさすがに頭に来る。今だと、全然どうでもいい話なのだが、当時はとにかく飲みたかった。私が飲みにつきあわすことが出来るのはせいぜい足立とデシデシ君くらいだったので、私はこの二人と飲んだことくらいしか記憶にないのだ。いわゆる”小規模飲み”というやつではね。重ねて言うが、今となってはかなりどうでもいい話ではある。