コーポ啓21号室~偽コンビクトの日々戯言

50歳を過ぎてもまだまだぼやくぜ

ワタシの深夜超特急 その1

無職になってからというもの、日中に体を使ってないせいか眠れない夜が多々あるのです。今日も12時くらいには寝ようと床についたのですが、もうこんな時間です。あともう少しすればきっと夜が明け始めてくるのでしょう。

今でこそ夜型で夜が大好きなワタシですが、子供の頃は人並みに夜が怖かったものです。土曜サスペンス劇場のあのカラフルで怪しげなオープニングが怖くて怖くて仕方なかったのです。

一人暮らしの学生の頃、就寝時間は決まって夜の三時頃でした。テレビ放送がすべて終わって音も何もなくなってからやっと眠りにつくのです。青年期だから人並みにいろんな考え事があり、眠れなくても困ることなどありませんでした。夜に結構散歩をしたりもしていました。コンビニに飲み物などを仕入れに行きがてら、ね。あの頃は今のような500mlのペットボトルなんてなくて、缶ジュースが主流でしたね。僕はいつもサントリー伊藤園の烏龍茶を買っていました。タバコを覚えたのもあの頃で、よく真夜中に自販機に買いに行きました。当時は今のように自販機の規制はなかったのです。あの頃はラッキーストライクをよく喫っていました。

そんな夜を幾晩も過ごしましたが、今でも覚えている夜、っていうのも少しはあるのです。
盛岡で過ごす四回目の冬、もうすぐ盛岡を離れることがほぼ決まっていた私は夜の一晩一晩が愛しく感じられていました。なかなか眠る気になれなかった……。気楽に過ごしていたワタシはいつまでもそんな日々が続いて欲しかったし、でももうすぐ働かなくちゃいけないし、でも新しい生活をすることも別に嫌じゃないしで結構複雑な気分でした。ある夜、あれも深夜二時過ぎくらいだったと思うけど、雪の降る夜にタバコを買いに出た事がありました。当時の僕のアパートは坂の下で、少し坂を登ったデイリーまで行く為に斜面にある小さな階段を上りました。緩やかに雪が降る中、階段を少し急いで上って振り返ってね。ふわふわと舞い落ちる雪に薄暗い街灯が反射してとても綺麗でねぇ……。あぁ、この街とももうすぐ別れるのかぁと思うととても寂しい気持ちになったもんです。

眠れない夜はこうして何か書くことにしましょう。どうせヒマだからな。沢木耕太郎みたいな文を書きたいものだよ。