コーポ啓21号室~偽コンビクトの日々戯言

50歳を過ぎてもまだまだぼやくぜ

20年前のこと その二

歩いてるうちになんかイライラしてきた僕は、本八戸駅前にあった電話ボックスからもう一度電話予約にアタックしてみることにしたんだ。駄目なら駄目とわかるまでやってみるつもりで。そしたら30分くらい後だろうか、ついに電話がつながった!ビックリしてなぜか電話切りそうになっちゃったのを覚えてる。聞いたらチケットはまだあるとのこと。でも、もう一枚しか押さえられないとのことだったので心の中で茨島に手を合わせつつ一枚取ったんだよ。一緒に行けなくて悪かったなぁと今でも思ってるけどね。これも言ってないな。でも、結果的には一人で行ってよかったと思った(この気持ちについてはあとで書きます)。

その頃にはそれなりに音楽を聴くようにはなっていたけど、ライヴに行くとなるのは初めてだった。どんなもんかはわからないし、とにかくテープを繰り返し聴いて曲を覚えていこうと思った。ライヴまでの数ヶ月の間、三枚のアルバムのテープをずっと聴いた。実はこの頃一番好きだったのは3rdの「train-train」で、他の二枚はおんなじ様な曲ばかり入ってるなぁ、としか思ってなかった。今の好みと逆になってるのは面白いね。ライヴの日は確か期末テストの真っ最中だったかそれとも直前だったかで、実は進学校にいた僕は勉強しなくてはいけない時期だった気がするのだが、そこはそれ、あの高校にはまったくついていけてなかったからもうどうでもよかったね。行ってから勉強すりゃあいいやとか思ってた。どうせたいした点は取れないしね。

で、当日だ。薄暗い八戸市公会堂の前にガキどもが列を作った。知ってる顔もちらほらいた。もちろん、普段話すこともないような人たちだ。向こうも僕に気がついて、「おっ?」とした顔をしてる。僕のような地味なやつがそんなとこに一人でいるなんて思わなかったのだろう。会場に入ると物販があったが、当時自由になるお金なんて一銭もなかった僕は我慢して通り過ぎるしかなかったのを覚えてるよ。
席は一階後ろから5列目。あの手のライヴなんて友達何人かと来るのが普通だから回りはみんな各々友達としゃべっていたけど、僕は一人で静かに席に座ってた。この後、どんなことになるかなんてまったく想像もできなくて、ただ座ってるしかなかったんだ。

さらに続く。