コーポ啓21号室~偽コンビクトの日々戯言

50歳を過ぎてもまだまだぼやくぜ

大槻ケンヂ

デシデシ君があんまり薦めるもんだから、大槻ケンヂの「リンダリンダラバーソール」を買ってきて読みました。懐かしいバンドがたくさん出てきました。ひとつとして分からないバンドがなかった、というのもいかに俺がバンドブームにのめりこんでいたか、というのが分かってなんとなく気恥ずかしいような。

あのバンドブームのころ出てきた大槻ケンヂはこの本に書かれているように、かなりの不安を抱えた人物だった、と記憶しています。ラジオも聴いてたけど、情緒不安定な人間がわめいているような感じしか受けなかったもんです(笑)。まぁそれが面白かったんだけど。彼はいつかあの頃を懐かしむような本を書きたい、と以前に話していたような気がしますが、まさにこの本がそれなのでしょう。あの大槻ケンヂがこんな本を書けるようになるなんてね。

ちゃんとあの頃が書けている、と思いました。

バンドブーム当時高校生だったワタクシは、そんなマイナーな世界に憧れていたのか、とにかくまわりの人と違う雑誌「宝島」の世界が好きでした。田舎の高校生にはあまりにも自由に見えたのも本当だった気がします。でもだからといってすぐバンドを始めるような勇気も心意気も情熱もなかったなぁ。ついでに金も。とにかく憧れ、だったのです。「宝島」の通販の広告に載っていた靴底8センチのラバーソールに確かに憧れていたんだよ。

始めるということはそんなに難しいことじゃない、と気づくのにそんなに時間はかからなかったけれど。

あの頃同じクラスの友人に南、というのがいた。奴はとても頭のいい奴だったがどこか奇人の匂いのする奴だった。プロレス好きだった、とも記憶している(笑)。奴と毎日毎日ナゴムとかのインディーズ音楽の話ばかりしていた。あの頃、筋肉少女帯なんて知っていたのはクラスで俺と南の二人だけだったと思う。横浜国立大学に合格した後、彼がどんな人生を送っているのかは知らないが。

この本を読んでたら彼のことを思い出して少しだけ懐かしくなったりしたよ。