コーポ啓21号室~偽コンビクトの日々戯言

50歳を過ぎてもまだまだぼやくぜ

時は透き通る水だ

昨晩から降り続く雨はとても冷たく……。灯油が少し残っているのでストーブをつけた。あとポリタンク半分くらいあるかな。

新しい所長になってから土曜出勤が異常に増えた。サービス出勤。

さてさて、清志郎追悼ロッキンオンジャパンを買いに行ったら当然のように入荷していない。発売日から一日遅れでも入りませんか、この街には。昔は当たり前だったけどさ。そういうの。
地方都市に住むガキだった僕にとって、とにかく不満だったのは情報も流通も何もかもが遅いことだった。今はインターネットとか便利なもんがいっぱいあるから、この目の前のハコ弄ってちょちょいと何でも知る(知ったような気にはなる)ことが出来るけど、当時はとにかく何もかも知らないことだらけ。調べようにも周りの物だけではどうにもならなかった。けして友達が多いとはいえないので、人から教えてもらうっていう方法すらかなり少なめだった。お金が全然ないので自分でレコードや本を買うのも実はかなり難しいことでさ。たとえば冗談みたいな話だが、RCサクセションのボーカルの名前が忌野清志郎だということを知ったのは、清志郎のソロのカセットテープを借りたからだった。
「あれ?これRCのボーカルと声一緒だ?」
とか思ったりして。つまりRCがラジオでかかる時もRCのテープを借りた時もボーカルの名前が忌野清志郎だなんてわからないのである。

一部の識者を名乗る人たちみたいに、
「あの頃は情報を知るのは大変だったが、今とはそのぶん重みが違った。だからこそ昔はよかった」
なんて僕は簡単には言えないし、その人たちの意見には心からは頷けないのよ。そりゃ情報を能動的に求める力が今より必要だからこそ、その分血となり肉となりやすいってのはあるけどさ、何でも知るチャンスがあふれてる今の方がいいにきまってんじゃん。自分の中で取捨選択して考えることさえ忘れなければさ。

同じ理由で、
「貧乏だったからこそよかった」とか「苦労したほうがよいよ」とか簡単に言うのもどうも憚られる。どうもノド元すぎたら何とやら……的な臭いがする感じもするし。そりゃなんでも体験だからいい面ももちろんあるけどさ、カネはあったほうがいいし、余計な苦労も出来ればしないほうがいいんだけど……と心のどっかでは必ず思ってしまうんだな。