コーポ啓21号室~偽コンビクトの日々戯言

50歳を過ぎてもまだまだぼやくぜ

ぼくには きみが よくわかる

アメリカの大学で銃が乱射されて、いきなり人が死ぬ。言葉が出ない。気の効いたことが言えない。何もしてない人がいきなり死んだりする。事件に限らず事故とかでもさ。人間はなんてことなく死ぬ。僕はそれがとても嫌だ。怖くはないけど、とても嫌だ。とりあえず、僕はまだまだ生きたい。やりたいことがひどくたくさんある。だからこういうのはとても嫌だ。こんな事件に難しく言葉を重ねることはできるけど、突き詰めりゃ、嫌だの一言だ。「ボウリング・フォー・コロンバイン」を君は見たかい?

小倉優子こりん星の土地を売り出すらしい。まぁ、そのお金は寄付に使われると言うことなので別段なんとも思わないが、これと似たような話を藤子F不二雄先生が短編で書いてたのを思い出した。
ある男がいきなり、
「あなたの土地を買収させてくれ」
と言う男に付け回される。そんなこと言われても土地なんか持ってないその男は何のことだかわからず逃げ惑うばかり。業を煮やした追っ手はついに大量の宝石をその男にぶちまけて強制執行だ、という。わけがわからないが、宝石を大量に手に入れて男はマイホームを手にする。そこで、昔「火星の土地を買おう」という冗談企画に乗って買った権利書のことを思い出す。と言う話だったと思う。先生のSF短編集は他にも面白い話が結構あるので興味があったら読んでみて下さい。

昔、小説家に勧められて沢木耕太郎の「一瞬の夏」と言う本を読んだ。ボクシング絡みということもあってこの本が結構好きでさ。この人の他の本も読むんだけど。この人は「終われない人」を書くのが上手いんだよね。筆者の上の世代が一心不乱に生きた世代だというのと比較して、そこまで燃焼しきれず終われない。そんなのを自分に投影しつつイライラしたり。ちなみに山際淳二先生が上の世代に対比したのは、そこまで憔悴もせず「そんなのしらけちゃうよ」みたいなさらにひとつ下の世代。まぁ、どっちも気持ちがよくわかるような気がして沢木先生も山際先生も僕は好きです。どっかの受け売りみたいなことを書いてしまった。いかんいかん。