コーポ啓21号室~偽コンビクトの日々戯言

50歳を過ぎてもまだまだぼやくぜ

大徹のサイン

部屋から元小結大徹のサインが出てきた。正確には親方になってからのサインだから"湊川親方"のサインなのだが。ちゃんと元大徹と書いてある。実にレアな代物だと思う。
このサインは藤田君にもらってもらったのだ。彼が大相撲の地方巡業運転手のバイトをやった時、偶然にも大徹の運転手になったんだよ。ペンと色紙を急遽用意して、
「大ファンの友達がいるので……」
とサインをしてもらったらしい。無論その友達とは俺のことなのだが。大徹は最初「もう現役じゃないから……」
と渋っていたが、さすが藤田君、熱意で押し切ってしまった。俺だとくじけてしまいそうだ。

こないだテレビで久しぶりに大徹を見たら、髪が真っ白になってしまっていた。しょうがないよな、俺が高校生とか中学生の時に全盛だった力士だものなぁ。晩年十両に陥落して、でも千秋楽で勝てばまた上に上がれるという時に当たったのが当時飛ぶ鳥を落とす勢いの貴花田よ。あの野郎数分にも及ぶ持久戦をロートル大徹に仕掛けやがった。最後、力なく土俵を割った大徹の姿を今でも覚えているよ。結局もう浮上することなく引退してしまったなぁ。