昨日のミニマム級統一戦を見ました。白熱した好試合でしたが、ジャッジ泣かせの僅差の判定を物にしたのは新井田でした。判定は2-1に割れ、ミスタースプリットを名乗ってもいいんじゃないかというほど微妙な判定の多い新井田がまたも凌ぎ切った格好です。高山サイドは自分の勝ちを主張し提訴する方向ですが、発言がちょっと大人気なく、今後の動向が気になるところです。
僕も採点してみたけど、114-113の僅差で新井田を支持します。初回のダウンはスリップだと思うのですが、結果的にそこで2ポイント落とし、熱くなったまま新井田が3ラウンドまでに4ポイントビハインドですが、そこからボディと左右のアッパーを効果的に使い、中盤までにポイントを取り戻してイーブン。最終ラウンドで新井田が打っていった分1ポイント新井田が上回ったと見ます。11ラウンドを明らかに優勢に戦った高山はなぜに最終12ラウンドでも同じように戦わなかったのか?新井田は最後に力を振り絞ったけど、高山は流してたように見え、結果的にそこが最後の分かれ目になりましたね。高山はポイントで自分が有利だと思っていたのでしょうが、ポイント計算をしくじったのならそれは本人の責任であり、さらにセコンドの責任だったと思うのです。
「全力を出すまでもなかった」
などという余裕の台詞を試合後に吐くのなら、尚のこと最終ラウンドは押さえなくてはいけなかったのではないでしょうか?
今回の判定は、亀田-ランダエタ第一戦のように問題判定ではないと思います。どっちに転んでもしょうがないほどの接戦だったと思うのです。僅差で高山でも僕は納得いったでしょうし。高山陣営のコメントが後味悪いものでしたが、勝負としてはなかなかの熱戦であり、素晴らしい試合だったと思いました。最終的に勝負を分けたのは新井田の勝利への執着心だったと思いますが、中盤にポイントを挽回したボディブローとアッパー(特に左)はジャッジに非常に効果的に見えたろうと思います。ジャッジにアピールできるパンチを確実に当てていく新井田の当て感は素晴らしいものがあります。日本人であれくらいアッパーを使える人はほかにいないんじゃないかな。序盤の高山の出入りとそれに付随した細かい連打もかなりのレベルでした。惜しむらくは、せめて中盤まで同じペースで戦えたら……。
まぁ、そんなところで。ボクシング万歳!です。