東北高校が遂に力尽きてしまった。正直こんなところで消えるとは思いもしなかった。これで東北勢の優勝はまたしばらく難しいのではないのかなぁ。今回の東北高校はかなり有望だっただけに。
今日もダルビッシュが先発したのだが、我慢比べのようなジリジリした試合展開。延長の末、遂に彼は力尽き、最後の望みを託して我らがメガネッシュが登板。しかし彼も打たれすべては終わった。雨が降りしきる甲子園で。最後の登板もダルビッシュのあとしまつ、というのが彼らしいではないか。
去年の夏、彗星のごとく登場しダルビッシュを救い、全国的な人気者になった彼を今でも覚えている。なんとも憎めない風貌で、とにかく垢抜けない。素晴らしかった。
そして春のなんともいえない残酷な逆転負け。皆が涙した。けれどもその上で最後の夏に彼が栄冠を勝ち取れば、それは本当のドラマになったはず。けれど、それはかなわなかった。これが現実なのか。最後の夏、彼はたったワンアウトしか取ることができなかった。ほとんど出番すらなく終わってしまったのだ。
所謂アイドル的な人気ではなく、ただひたすらに皆に愛された高校球児を他に知らない。私もただメガネをかけてサイドハンドで投げるだけの彼になぜこんなに惹かれたのかはわからない。でも、もうこんなに熱くなって高校野球を見ることはない気がする。それほどまでに彼は特別だった。
彼はもう表舞台に出ることはないのかもしれない。いやいや、大学でもプロでもいい、とにかくいつかまた僕らの前に現れてほしい。そしてまた私たちをニヤニヤさせてほしい。いつかきっと。