コーポ啓21号室~偽コンビクトの日々戯言

50歳を過ぎてもまだまだぼやくぜ

責務

スターダムのメインの件。世IV虎安川惡斗の試合は酷い喧嘩となってしまい……。安川惡斗は病院送り、顔面数箇所骨折、下手すりゃ失明の危機とも言われている。何ゆえこのようなことになってしまったのかは、当事者同士、もしくは会社の人間にしか分からないだろうが、そんな裏側の話は観客側には基本的にはあまり関係ない話である。プロレスラーを名乗りカネを受け取っている以上、その責務を果たしたのかどうかということだけが重要であり、そういう意味では世IV虎もスターダムもすべてプロ失格である。もちろんリアルよりリアリティが重要なプロレスというジャンル、ファンは深読み、裏読みを楽しむ面は否定できない。しかし、カネを払って街の喧嘩以下のものを見せられてそれで面白がる客がそんなにいるのだろうか?

エンターテイメントとはすべからく、何かしらの満足感、開放感などを客に与える代わりに等価でお金を受け取るものだ。よく出来たプロレスというものは特にそういう面では優れている。それなのにあれは酷すぎる。この不況の世の中、プロレスのチケットというのはけして安くない。衛星放送の受信料だって安くない。でも、それを払ってでも客は楽しみたいのだ。満足したいわけだ。この件はエンターテイメントに対する冒涜である。そして、今全く安泰とはいえないプロレス業界に与えるダメージもただならぬものがあると考える。棚橋らがここ数年必死になって体を張って支えてきたプロレスというジャンルが、また世間から色眼鏡で見られる元凶になるかもしれない。これは女子プロだから新日本や他団体とは関係ない、というのは甘い。世間なんて棚橋だろうが馬場だろうが大仁田だろうが全部同じ。全部プロレスは野蛮なもの、で終わり。

そして本人たちの今後もどうなるのか。世IV虎はヤンキー上がり、プロレスこそが天職のはず。安川惡斗も全く違うようでいて似たようなもの。ブログを読むにつけ、メンヘラ気質も感じられ生きてきた人生もけして順調ではない。こう言っては何だが売れない役者だったただの女の子。二人とも必死で手にした輝くことの出来る場所なわけだ。世IV虎はスターダムはおろか、プロレスを続けることが可能かどうかもわからない。惡斗にいたってはまともに生活できるまでに戻ることが出来るかも不明。どこに責任の所在があるかは分からないが、この事件は誰もが傷ついて終わるだけだ。世IV虎、惡斗は無論、カードを組んだロッシー、風香らスターダムのメンバー、観客も。一体誰が悪いのかは我々一般人は分からないが、このようなことはもう起きてはならないことであろう。解決することは出来ないかもしれないが、業界全体で再発は防いでいただきたい。

最後に、青森県三沢市出身の安川さんのご無事を祈りたい。同じ青森県出身者としてもやはり悲しい。