コーポ啓21号室~偽コンビクトの日々戯言

50歳を過ぎてもまだまだぼやくぜ

最高のラストシーンは

今日の試合は感動的ですらあった。ホークス一点リードの8回、2アウトから明石ヒット多村四球長谷川ヒットで満塁とし、代打松中登場。誰もがみんなここで打って欲しいと願っている。球場のほとんどの人間が松中の一打を心から願っていたと思う。そして、そのほとんどの人がきっと松中は簡単に凡打してしまうんじゃないかと恐れていたはず。

松中はクライマックスシリーズにずっと苦しめられてきた。クライマックスシリーズの歴史は松中とともにあったとすら言えると思う。何度も何度もホークスはクライマックスシリーズに挑み、そして負け続けてきた。ファンはそのたびに悲しみ、ここ数年などはもはや諦めの境地にすら達していた。そして、長年一人でホークス打線を支えてきた松中は負けの象徴だった。

しかし、もう時代は変わった。松中一人が責任を背負わなくていいほどにホークス打線は成長した。内川が空気を変えてくれ、松田もいいところで打てる打者に成長した。本多も長谷川もいる。このまま松中の出番がなかったとしても、きっとホークスは今日も何とか勝っただろう。

でも、代打松中がコールされた瞬間、球場はこの日一番の歓声に沸いた。松中が出てくればどうしても期待してしまう。凡退のたびに悪態をつきながらも、それでも次の打席でまた松中に期待してしまう。ホークスファンはみんな松中のことが結局は好きなのだ。
ただ勝ち上がるだけでは足りない。松中が打って勝ちあがってこそ、クライマックスシリーズ長年の悪夢を振り払うことが出来る。これはもはやホークスファンの総意であると言えると思う。


そして、打った。代打満塁ホームラン。


これほどの感動があろうか。これほどのドラマがあろうか。これを奇跡と言わずして何と言えばいいのだろうか。

2006年の松中と違い、2011年の松中は泣かなかった。きっとあとひとつ、勝ったときに泣くのだろう。ホークスファンは待っている。歓喜の瞬間を。あとひとつ!ついに歴史が変わる!