コーポ啓21号室~偽コンビクトの日々戯言

50歳を過ぎてもまだまだぼやくぜ

みみずくの唄

こないだ、ドイツでミドル級の佐藤が世界タイトルに挑戦したんだけど、7回でストップ負け、ということで残念な結果に終わった。ミドル級ってのは今までの長い日本ボクシングの歴史の中で挑戦すら三人目、という非常に敷居の高い階級なんですね。かの竹原慎二が日本東洋で全くの敵なし状態で、待たされまくって挑戦したカストロ戦を思い出す。もう予想は絶望中の絶望的なものだったんだけど、竹原は見事予想を裏切る大番狂わせを起こしてファンをあっと言わせたもんです。世の中の人たちには全く届いていなかったのが当時非常に悲しかった。

で、wowowにて佐藤の試合を見たんだけど、ここまで差があるのか……と呟いてしまうくらい一方的だった。チャンピオンのシュトゥルムは確かに強いけど、強豪中の強豪ってわけでもないんだが。東洋では強打者の部類に入る佐藤のパンチが全く強く感じられない。世界レベルでは別にパンチャーではないシュトゥルムのパンチのほうが数段力強さを感じさせる。佐藤のパンチはスローモーにシュトゥルムのガードの上ばかり叩き、シュトゥルムの速いジャブがほぼ100%の確立で佐藤の顔面を弾く。佐藤の顔はジャブだけでボロボロ。まさに左だけで佐藤は終わらされてしまった。ここまで悲惨な世界戦は久しぶりだった。数年精進したくらいでは絶対届かないほどの差を感じた。試合としては成り立たないほどの差があった。

佐藤はそれでも日本ではトップのミドル級なわけで……。今後、世界と対等に戦える日本人ミドルは出てくるのだろうか。もしかしたら竹原が最初で最後だったのかもしれない。みんな、竹原をもっと敬おうぜ。一応断っておくが、僕は別に竹原のファンというわけではない。