コーポ啓21号室~偽コンビクトの日々戯言

50歳を過ぎてもまだまだぼやくぜ

no lip child

ちょっと書きたくなったので……。

ボクシング見ててね。今日は東洋太平洋ウェルター級タイトルマッチがあって、チャンピオンのレブ・サンティリャンに、協栄から帝拳へという変わった移籍をした佐々木基樹が挑むというものだったんだ。佐々木といえば、湯場に勝ったこともあり、現Sライト級安定チャンピオンの木村を最も苦しめた選手として記憶されるけれど、その割にノーランカーにあっさり凡戦をしてしまったりするようなムラのある選手。ここ数年はいい試合をしていなかった。チャンピオンのサンティリャンは日本で何試合も戦っており、実力には定評あり。普通に考えて佐々木の圧倒的不利は動かないところだったんだけど、僕はなんとなく佐々木のここ一番での勝負強さが今回も発揮されて、番狂わせがあるんではないかと思っていたんだ。佐々木のいいところはとにかく頭を使って考えながらボクシングをしてるところ。で、戦略を立ててそのとおりに実行していく能力がある選手。クセは強いけど面白い選手なんだ。

かくして、ドラマは起こった!

ゴングが鳴った瞬間に対角線上に走って行って先制のラッシュを仕掛ける佐々木。このラッシュは効果的なダメージは与えられなかったものの、サンティリャンから強引に試合の流れを奪ってしまうことは成功した。チャンピオンは佐々木に飲まれたまま序盤を消費してしまう。そして二回にはダウンを奪うことにも成功。完全に佐々木のプランが功を奏した感じ。
心理的にも肉体的にもダメージを引きずったままのチャンピオンが、だんだん落ち着いてきて試合の流れが逆転したかに思えたのは中盤の5回あたりから。佐々木は前半の飛ばしすぎがたたったのか明らかなペースダウン。6回には佐々木が逆に効果的なパンチをもらってふらつく場面も。
ところが6ラウンド終了間際、佐々木が突如蘇ってサンティリャンを倒してしまう。立ち上がってきたところを猛ラッシュ、ラウンド終了のゴングと同時にレフェリーが試合をストップ。あのフラフラに見えた状態は三味線だったんだろうか?それとも気力を振り絞っての底力が発揮されたのだろうか。どちらかはわからないが、またしても佐々木にドラマを見せられてしまった。

このクラスじゃ世界は厳しいけど、また次の試合が楽しみだよ。ナイスファイトでした!