居酒屋寄り切り

なんかいらだつ一日。左の耳のすぐそばで「カチッカチッ」と音がするような気がしてしかたない。こんな時、ブルースマンが羨ましくてしかたなくなる。咥えタバコでチョーキングやスライドを決めてみたくなる。まぁ、できないのだが。

僕の人生で「優勝」って体験したことがあるのだろうか?とふと考えた。ずっと記憶をさかのぼる。別に一番に固執している人間では全然ないのだが。ただ興味本位でさかのぼる。ぶち当たったのが大学三年の体育合宿である。合宿の夜に催された寄せ集めメンバーによるバレーボールでなぜか優勝した。みんなバレーボールなど体育でしかやったことのないような連中(早い話がやる気のある人間は一人もいなかった)で、我がチームの主力が俺とデシデシ君だったことを思い出した。なんとひどい状況だ。当然スパイクなど打てる人間はおらず、サーブもまともに入らないグダグダの展開の中、なぜか我がチームは勝った。コートの中に無駄に大量の人間がいたにもかかわらず、ボールに触ってたのは俺ら二人ともう一人くらいだったと記憶している。別に嬉しくもなんともなかった。

…実にくだらないことを思い出してしまったと今私は後悔している。

僕は人に勝つより、君とビールを傾けているほうが楽しい人間なのさ。少なくともここ10年以上はそんな人間なのさ。大げさに言えば、「争いよりは団欒を戦争よりは平和を」ということなのさ。でも、でもだ。藤田君にだけはそういうふうには思えなかったよ。まだ彼は人よりすぐれていたい人なんだろうか。また12年前のように、そんな君とくだらない酒を飲んでみたいなぁ。