コーポ啓21号室~偽コンビクトの日々戯言

50歳を過ぎてもまだまだぼやくぜ

黒く蒼い思い出 第一話

今日もクタクタで仕事から帰ってきたら、ニッシーから葉書が届いてた。子供が産まれたそうだ!有羽琉君。期待に沿ったヤンキーっぽい名前だ。素質は抜群だろう。顔もニッシーに似ている…ような気がする。そういやみわちゃんとこも二人目が生まれた。同学年か…。
思えばニッシーの子供なんて、彼と出会った頃にはまるで想像もつかなかったものだが、こうしていざ写真など見せられるるとなかなか感慨深いものがあるような。

僕たちがまだ20歳くらいの青年だった頃、みんなテキトーな生活を送っていたものだった。その中で一番テキトーなのに、なんとなく生活をまとめたがっていたニッシーを覚えてる。ダラダラとビールを傾けてる時、
「マイホームパパになりたい」
なんて冗談みたいなことを冗談みたいな髪型で冗談みたいな顔で平然と言っていた。そんなニッシーを見て、きっと僕もみわちゃんもデシデシ君も冗談だと思いつつも、どこかそんな彼を微笑ましく見ていたような気がするなぁ。
22歳の僕の誕生日、卒業間近の僕たちは「暴露会」と称したひどい飲み会を催して、それをテープで録音などした。確かそのテープの中でも彼はそんなことを言っていたような気がする。

ほんと、あれからずいぶん時間が経ったものだ。みわちゃんやニッシーに子供が出来、きっとそろそろ気合先生や足立にもそういう話がある頃だろう。千鶴さんも元気に専業主婦しているようだ。デシデシ君や僕はまだ結婚できないでいるけど、まぁ、きっとそれもおのおのの選んだ積み重ねだしね。僕達ももう30歳オーバーだ。いつのまにか僕等も 若いつもりが歳をとった、とあの頃ユニコーンが歌ってたみたいにさ。

こうして葉書など戴くと、やっぱり嬉しいものです。みんなそれなりに過ごしていってるんだなぁ、なんてね。これからもいろんなふうにいろんな事が変わっていくんだろうけど、よりよく楽しく流れていきたいもんですね。またいつか会いましょう。